「小さいからこそ知恵を出す」
「小さいからこそ知恵を出す」 (2016年12月号)
かつら業界の双璧はアートネイチャーとアデランスでした。
テレビ・新聞・雑誌とあらゆる媒体を使い洪水の様に広告
出稿を行っていました。
彼等の主力ターゲットは僕の様に薄毛が気になる成人でしたが、
数年前から医療(円形脱毛症・抗癌剤治療による脱毛)
マーケットやウィッグと言うファッションを意識させたシニア
女性の為のものに変わって来たように感じている。
そんな中、10月のネット上のヤフーニュースで
日本のおじさんたちが、「アデランス」をかぶらなくなったワケ 」
という記事が掲載された。
その元ネタは、
10月14日
「アデランスがMBOを実施すると発表した。投資ファンド
インテグラルが子会社を通じてTOBを行い株式取得、同社の
支援を受けながら経営再建を目指すということで、近く上場
廃止になるという。」
というものでした。
・・・おじさんたちはかつらを必要としなくなったのか?
発毛治療のAGA等の台頭や記事の中にもありますが、
「これまでの高価格帯のかつらを売るビジネスが崩れ始めた」
(日経産業新聞 2016年5月16日)
もちろん、個人差もありますが、アデランスなどの
大手メーカーで自分の頭にピッタリのかつらをフル
オーダーすると、40万~50万はゆうにかかると
いわれています。・・・
大手のかつらメーカーとの繋がり(購入契約)は、
次々にアップセル(高額商品・スペアへの誘導)や
クロスセル(他商品)への誘導が始まり、最終的に
100万円を超える出費となってしまう”魔のスパイ
ラル”に入って行くのです。
その記事の中に僕の知り合いのかつらメーカーの事が
取り上げられていました。
2000年に創業したかつらメーカーのWith(ウィズ)の
Webサイトをのぞくと、オーダーメイドの全頭かつらは
16万8000円、部分かつらは14万8000円。
修理・補修費用も2万5000円~5万円と料金表を公表している。
そうです。お客さんは気付きました。価格の差が
品質・サービスの差でないことを・・・
今までは、高いもの=「品質は良い」「サービスが良い」と
いうことが、単なる思い込み、大量の広告による洗脳だと
気付いたのです。・・・
ウィズは販売の殆どをネットで行っています。その為、
大手の様に大量の広告出稿は行っていません。
HPの充実・・・WEBマーケティングを強化することにお金を
使えば良いのです。
型取りや購入後の調整は契約の理・美容室がパートナー(代理店)
として行っているため、お客様の望む髪型やカラーに調整出来ます。
また、普段のカットやシャンプーなども応じる事ができます。
カンセリングに関しても、メールや電話で懇切丁寧にお客様の
背景を重んじて対応しています。
小さいからこそ大手に負けない努力を続けているのです。
経費を掛けずに、お客様がお求めやすく高品質な商品を
提供する。人間が出来るサービスは常にベストを目指して
日々努力を続ける。
小さいからこそ使える知恵を出し合って皆で未来を創造
しているのです。
決して大手を批判しているのではありません。
僕達の頭には大手は安心で良いものという認識があります。
小さくても大手に負けない良いものを創造している会社は
沢山あります。大きくなることよりも強くなる事が大切なの
です。
誰もが「安い」ものが好きです。
でも「安物」は嫌いです。
安物は100円でも期待を裏切れば100円でも高く
感じます。「安い」とは100万円でも期待以上の価値が
あれば安く感じるものです。
だからこそ他社に負けない良いもの(価値があるもの)を
創造するために強くなれば良いのです。