バランス
『 バランス 』 2020年9月号
安倍総理の辞任発表記者会見へのマスコミの対応は
本当に冷たかったね。
総理から、先ずは国民に謝罪と感謝の言葉をしたにもかかわらず、
誰一人、「お疲れ様」の一言もない!
・・多くの問題が焙り出され解決されていない事が
残っているにせよ、病気で辞める人に対する礼儀が
足りないような気がするのは、僕一人だろうか?
問うべき事と最低限の気遣い・礼儀というバランスが足りないのではないだろうか?
自民党の総裁選レースが公平な競争の中で行われるかと思ったが、
予想通りと言うか?
予定通りなのか?
・・・密室政治で既に決まっていたのか?
菅さんに決まりそうな様相。
安倍路線を引きつぐのか? 変えるのか? これもバランスが重要となる。
しかし、急ぐと言う理由で総裁選の決め方も随分と
バランスを欠いた事になってしまった。
安倍さんも各閣僚も引き続き仕事をしている筈だが、
全党員・党友投票をしないという理由が分からない。
・・・国民や地方の自民党員には人気があり、支持がある石破さんは
随分と分が悪くなった。
その事について、ある著名な政治評論家が
「石破氏は議員支持がないから無理だろう!」
と言う発言があった。
なぜなら、
「彼は議員達と飲み食いも含め色々とサポートをするという面倒見が足りないからだ!」
・・・未だに飲ませ、食わせがまかり通っている。
「何だろう?」
確かに人間関係の構築の為に、会食というコミュニケーションは
重要な側面をもつ事も理解出来るが、ギブ・ギブ・テイク・テイクの
関係性もバランスが必要だと思う。
与え過ぎる。
貰い過ぎる。
そんなことが幅を利かせる時代から脱却しなければ何も変わらない。
コロナ禍で営業と言うスタイルが大きく変わった筈だ。
今までは、べったりずぶ・ずぶの人間関係により多少
商品やサービスの品質に問題があっても買ってくれる状態から
コミュニケーションは会議アプリが中心となり、
ビジネスの関係性の継続は価格も含めて、如何にプロダクトや
サービス・納期やアフター対応の品質を高めることが
重要なファクターとなった。
相手に見られるのはスピードと数字と結果になる。
良く言えば、リアルな人間関係だけではなく、正しく良いものは売れると言う事が明確になった。
企業も意味のない接待交際費の見直しが始まるのではないだろうか?
中小企業の年額控除枠800万円はどうなるだろうか?
経済成長の一翼を担う優遇税制が決まったのは、
レジャー・飲食業界を含めた活性化にあるだろう。
一人5,000円を超える会食は、年間800万円まで全額控除。
因みに大企業は飲食代の50 %だけ。
日本の法人の99%は中小企業だから大きな効果があった。
景気が良い時は大いに使って皆が喜んだ。
今はどうだろう?
コロナ禍の中、大手を振って会食や夜の接待を
主体とした店には行けない・行かない筈だ。
交際費ご用達の店は厳しい状況に追い込まれている。
同様に昨年までのインバンド契機に浮かれていた業種・業態も新たな選択をしなければならない。
また、コロナ禍対策として緩和マネーが溢れすぎているのではないだろうか?
過去の業績を含めてしっかりリサーチした上での融資だろうか?
そもそもコロナ以前の問題として倒産リスクが高いところに貸せば
最終的に税金で負担しなければならなくなる。
本当に必要なところには届かず、必要ではないところに
注がれている可能性もある。
返済猶予期間が迫るころ、貸し倒れが続出し、銀行自身に税金を
投入しするようなことになれば本当の不況になってしまう。
行き過ぎは全てのバランスを崩す。
コロナ禍の今、経済重視で突き進めば感染者が増える。
しかし、経済を優先しなければ、もっと多くの人が滅びる可能性が高くなる。
バランスはとても大事だが、調整ばかり取り、
何事にも合間だけを選択すれば、世の中の変化に
対応出来ずにもっと大変な事になる!
信念を持ってしっかり決めれる人が、
我々の国の代表になる事を心から願っている。