post-6887君は蟻か?キリギリスか?

2022.10.11

君は蟻か?キリギリスか?

「君は蟻か?キリギリスか?」 2022年9月・10月 合併号

 

人生の到達点は「死」・・・

だれにも訪れ避けて通れぬこの世の道の到達点。

でもね、その前に、整理すべきことがある。

 

昨今、僕らの青春時代の大御所ミュージシャンたちの引退宣言が続く。

 

吉田拓郎も確か、そうだね・・・

井上陽水も随分とご無沙汰していますね。

ポールサイモンは引退したのか?・・・

 

定年がない自由業や自営業は仕事を自ら辞めれば、それで仕事は終わり。

勤め人は定年を迎えて終わり。

仕事は終わりでも人生は終わったわけではない。

 

残りの人生、生きていくための「金」が必要となる。

晩婚化により子供の教育費の支出も続く家庭もあるだろう。

 

住宅ローンは完済出来るのか?

ボーナス併用で組んだローンも不況により賞与の額が
半分以下と言う家庭もあるだろう。

預貯金を取り崩し、足りない分を補う。

 

現役時代の部下が上司となっても、給与が半分になっても
我慢しながら年契約の再雇用に勤しむ日々。

 

それでも仕事の終わりが来る・・・

 

北欧なみに安心・安定の老後生活は、今の日本の年金制度では
過去と同じ様には暮らせない・・・

 

日本人の多くの人は、蟻の如く日々身を削り仕事に従事してきたのである。

皆な寡黙に努力して頑張って来たのである。

成果と実益が結びつかない今の世の中で働き続けた戦士である。

 

僕の父の時代は、戦後復興のいざなぎ景気により年10%以上の
景気拡大が続いた時代にいた。

 

それは、「国造り」神話の再来として民間設備投資に牽引されて
僕が10歳になった1968年にはドイツを抜き世界第2位の
GNP大国となった。

 

当時は、年功序列・終身雇用でサラリーマンは年を重ねれば
役職が付き、多くはないが給料も上がっていった。

自らの将来に不安を感じることもなく安心・安定に暮らす事が出来た。

早い会社は55歳で定年を迎えても、退職金と年金で充分に暮らしていけた。

 

”重厚長大産業”を支える多くのメーカーにその下の部品メーカー、
その人々の為の暮らしの安らぎやプラスの寛ぎ楽しみの為のサービス業も
栄えた。ライフラインの整備の為に各地で道路の延伸・拡張・橋梁に
トンネルが行けない場所を繋ぎ利水・治水の言葉の先行で村が沈み、
ダムが生まれ、煙が濛々と棚引く煙突が増えて電気は燃やして作られ、
空を汚した。

三公社五現業はレールを伸ばし、電線を空に這わせ言葉を届け、
アルコールに煙草は独占事業となり、サラリーマンの語源となった
「塩」も抑えられていた。

 

良かったのか?悪かったのか?

 

答えは分からないが、人々のエネルギーは煙草の煙以上に満ち溢れていた。

それは戦争により失ったものを取り返す国民の意識が高かったのだろう。

・・・未来に希望が溢れていた。

 

だから、と言って2度と戦争を繰り返して欲しくない。

 

ロシアによるウクライナ侵略がきっかけとなり、
世界各国で軍事予算が膨らんでいる。

 

・・・国は観光産業だけでは賄えないが、IT・金融とモノ作り
(工業製品・商業商品・農業生産物・林業・漁業に食料等)と
再生産業が未来を創造することが出来る。

 

大きな国も小さな国も己を知るべきである。

 

大きな国は人口の多さ・国土の広大さ、資源の豊さに奢ることなく、
小さな国は人口の少なさ、国土の小ささ、資源のない事に諦めず
出来る事を探す。

 

マーケットは世界だ。誰もが安心・安全な世界を求めている。

 

働き続けた蟻は女王蟻の為に生きているのではなく、
未来を紡ぐために・・・蟻は群れで生きる社会性に優れた生き物である。

面白いのは一生懸命に働く者もいればそうではないものいる。

更に面白いのは一生懸命な蟻が倒れた時にはサボった蟻が働きだすそうだ。

 

・・・人間とよく似ている。

 

キリギリスは夏をサボって、備蓄出来ずに冬に食料がなくなり死ぬと

イソップ童話では語られているが、もともと寿命が短く、冬が訪れる前に

死ぬそうだ。

 

ある意味、生きている間、一生懸命に歌を奏でて子孫を創造し人生を

謳歌して寿命を迎える。

 

さて、「君は蟻か?・キリギリスか?」・・・

 

 答えは、どちらでもなく、僕らは「人」だという事。

 幸運にも僕が生きる日本は己で「生き方を決められるという事」。

 

さて、どの様な残りの人生の生き方を・・・自分次第で良いのです。

君は蟻か?キリギリスか?

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