「ギリギリで保つ安息角の恐怖」
「ギリギリで保つ安息角の恐怖」 10月号
『安息角(あん・そく・かく)』という言葉を、皆さまはご存知でしょうか?
・・・僕も知りませんでした。
何かのテレビ番組で聴いた言葉です。
意味は、
「砂を山盛りにした時にギリギリで崩れてこない傾斜の角度の事」
を言うそうです。
例えば、
砂時計の砂が上段のガラス容器から下段に落ちていくときに
形成される山の斜面と言えば分かりやすいかもしれません。
テレビ番組では、蟻地獄のすり鉢状の窪みの斜面の角度が
「安息角」で、蟻が不幸にもその窪みに落ちてしまうと、
その窪みの斜面はギリギリで落ちてこない角度をかろうじて
保っている状態なので、蟻の重みで、蟻が動く振動で崩れて
しまって底に落ちてしまうと言う事です。
今の地球の状況をみると、ギリギリで崩れない状況を保っている事が、何と多い事でしょう。
世界情勢をみると
・イギリスのEU離脱(ブレグジット)
・米中貿易摩擦
・日韓関係
・中国の一国二制度
・イランVSサウジアラビア&アメリカ
など、、、
環境問題となると
・地球温暖化
・オゾン層の破壊
・砂漠化
・海洋汚染
など、、、
日本に目を向けると
・かんぽ生命の顧客が不利益を被る不正な契約や強引な営業
・関西電力経営陣の賄賂事件
などの企業の不祥事。
もっと身近に目を向けると
・家庭内のネグレストやDV
・職場や組織内でのハラスメント
など、連日の様に報道されています。
どれもが、ほんのチョットした事で直ぐに崩壊してしまうギリギリの常態です。
因みに、蟻地獄の安息角は温度によって変わります。
蟻地獄の底に住まうウスバカゲロウの幼虫はその温度によって調整しています。
なぜなら常に斜面をギリギリの状態に保つ事で、餌となる獲物を得る為です。
我々人間が、自ら作り出してきた蟻地獄の巣に落ちてしまう事にならない様に、
ウスバカゲロウの幼虫の様に調整能力を持つことを祈っています。