「届かない声を訊け」とは
「届かない声を訊け」とは 2020年3月号
上場審査の過程に於いても「内部通報制度」は特に重要な確認事項となっています。
会社規定や運営マニュアルに於いて、何か問題が起きたら、
内部的には直属上司、総務の責任者や管理本部長、
外部では弁護士等への内部通報制度は整えられてはいますが、
その制度自身の精神的なハードルが高すぎて声を上げられない状況に
あるのではないでしょうか?
又は、会社内部での不祥事や不正・様々なハラスメントが知らないうちに
組織内部での忖度や保身や会社を守らなければならないと言う間違った責任感。
報復人事の恐怖。
更に受け継いできた隠蔽体質によって揉み消されている可能性は否定できません。
コーポレートガバナンス・コンプライアンスの順守は如何に組織に於いて、
届かない声・聞こえない声・消されてしまった声を丁寧に拾い集めて
焙り出していくかがとても重要です。
会社の不祥事・不正を或いは故意的でもなく重大なミスをそのまま
見過ごす事は出来ないと言う正義感を挫けずに通報出来る組織がどの位あるのでしょう?
国会での官僚や閣僚の答弁を聞いていると、夫々の発言に「嘘」がある事を
誰もが見抜いているのに「嘘」を吐き続けている。
国民を率いる方々が率先して「嘘」を吐き続けている。
政党という組織・政府機関の官僚達の夫々の各省・各庁の
お役人・職員たちは、その「嘘」の元になる事を早々に
分かっていた筈です。
なぜ、誰も声を上げなかったのか?
それともその声は消されてしまったのか?
・・・この闇を誰かが明らかにすることを、私たち国民は祈っています。
先日、2019年度の全上場企業「不適切な会計・経理の開示企業」調査が
東京商工リサーチから記事としてアップされていましたが、
過去最多の70社を超えたそうです。
不適切な会計には、高度化する会計基準に現場での会計知識が
追い付かないなどの能力不足・認識違い・単純なミスもありますが、
会社として売上拡大を急ぐあまりのプレッシャーによる明らかな
不正も行われていました。
内容としては、「架空売上の計上」「水増し発注」「粉飾」です。
更に、製造業に多くあるのは、製造・販売管理での体制不備に起因するもの、
中には検査基準の誤魔化し、資格を有しない検査員による偽装検査等
サービス業に於いては元役員や社員が行った不明瞭な外部取引を
通じてのキックバックを行い着服した横領などです。
・・・同じ部署にいる人間が分からないわけはない。
なぜ、声が上がらないのか?
・・・権力を持った者達からの圧力なのか?
・・・それとも、その声自身を消されてしまったのか?
組織の成長はその組織で働く人々の成長の結集です。
善も悪も混沌としたカオスの様な組織には正義はあり得えません。
そんな組織の金儲けは一時的に出来ても未来への成長は持続しないと思います。。
学校も家庭も同じです。
何かが起こる前に、「声なき声を拾え!」誰かを助けるのではありません。。
皆が最終的に救われるのです。
声なき声を拾え!
素早く正しく対応する事こそが組織の未来を創造するはずだと信じています。