自己決定の重要性
どんな状況でも
どんなに能力が劣っていたとしても
それだけで人生は決まらない
その後の人生をどうするかは
“自分で決められる”
フロイト、ユングと並ぶ
心理学の3大巨頭の一人
アルフレッド・アドラーの言葉です。
心理学とは
人間の心についての学問であり
私たちが迷った時に先人の知恵を借りて
先に進んでいくための道標ともなります。
冒頭の言葉は
アドラー心理学の一つの柱である
【自己決定性】をシンプルに伝えてくれています。
人間は
自分の人生を自分で切り開く力があります。
自己決定を行って進んでいる時
充実度も高まり
力を発揮することが出来るということは
心理学の言葉を借りるまでもなく
誰もが納得できるのではないでしょうか。
一方で
「(他者から)やらされる」
「(やりたくないのに)やらなければならない」
などと他者から決定されているように感じたり
不本意であることを無理やりやらされていると感じた時は
やる気も下がりパフォーマンスも落ちてしまいます。
自己対話により自分自身を導く
セルフコーチングという手法があります。
このセルフコーチングの枠組みの中で
重要な要素の一つが【自己決定】です。
「全てのことは自分が決めている」と認識し
自分の人生をより良くするための行動決定をすることに
意識を向けていけば
自己との対話の質が変化してきます。
私たちが心の中でつぶやく言葉は
自分の意志であると言えます。
この意志を使って自己決定しているのです。
例えば
立ち上がることも出来ないような大きな失敗をした人が
「自分はダメな人間だ。だから何をやってもきっと上手くいかない。」
と考えるのであれば
自分自身で「自分がダメな人間だ。」「何をやっても上手くいかない。」
と決めつけ、自身のエネルギーも奪う自己決定をしているのです。
勿論健全な反省は必要ですが
何のために反省するのか?
そのことがわからなければ
自分自身をダメな人間だと決めつけ
自分のエネルギーを奪い
未来に向けた行動を抑制するためだけの
自己決定になってしまう恐れがあります。
反省の目的は未来に向けた建設的な行動を引き出すこと
そのことを認識し自己との対話を行うことが必要だということです。
自分の未来をより良いものにするためには
自己との対話を
未来に向けて行動するための
自己決定が必要となります。
上述の例のような場合でも
「大きな失敗をしたから自分は多くを学べた。」
「過去の失敗は変えられないが、この失敗を糧に未来に活かすことは出来る。」
と
未来に向けて自分が「これから何が出来るのか」を考えて
自己決定すれば
苦しい状況であったとしても事態を好転させていくことが可能となっていきます。
私たちは自分が使う言葉に注意していく必要があります。
「仕事に行かなければならない。」
「上司から嫌な仕事をやらされる。」
などの言葉を使うことが習慣化している方が時折いらっしゃいますが
とっても勿体ないことをなさっているなぁと感じます。
私自身も気をつけておかなければ
「〇〇しなければならない」
「●●をやらされる」
などの呟きが頭に浮かぶことがあるので
慌てて
「〇〇すると自分が決めている。」
と言葉を変化させています。
不思議なことに自分で決定していると思うだけで
ストレスが軽減され心が軽くなるように感じます。
確かに
困難に直面し仕事に行きたくないこともあるでしょう
上司の方から気乗りのしない業務命令が下されることもあるでしょう。
しかし
そのような場面でも自己決定の重用性を理解して
自己との対話をすれば
「とても困難な状況であるが、自分は逃げずに会社へ行くと決めた。」
「気乗りのしない仕事だが、自分の幅を広げるチャンスだ。同じやるなら楽しんでやろう。」
というように
内的な言葉も変わっていきます。
新型コロナウィルスによる
環境の激変
将来への不安から
ついつい心の中で呟く言葉も否定的なニュアンスになりがちですが
こんな時だからこそ
【自己決定】の重用性を意識し
「この混乱を経験したことを未来にどう生かしていくのか?」
「今自分が出来ることは何なのか?」
を自問し自己決定して行動することが必要なのではないでしょうか。
*【自己決定の重用性】についてYoutubeチャンネル【ビジネス力アップ3分間セミナー】でも短くお伝えしています。
どうぞご覧ください。https://www.youtube.com/watch?v=8OYJDEiWcYo&t=30s