目的を共有するチームビルディング
ダイバーシティ(Diversity)という言葉をよく耳にするようになりました。
日本語にすると“多様性”ということになるのでしょう。
様々な人たちが自身の個性や特性を活かし
活躍できる社会実現をすることは
素晴らしいことであり
世界全体でダイバーシティを促進していくことを
私も強く希望しています。
企業においても
固定した概念を打破し
新たな価値を創造するためには
社員の多様な能力を活かす
企業風土を構築することが必要だと考えます。
ダイバーシティが重要視される中で
多様な人たちが
一つのチームとしてベクトルを合せ
成果を生みだすために必要なものが
皆が共感し共有する目的です。
企業で言えば
【経営理念】ということになるでしょう。
何のためにこの会社があるのか?
存在の意義は何であるのか?
【サービスや製品の提供による社会への貢献】
【企業の成長発展による従業員の幸福度向上】
など
それぞれの企業が持つ経営理念が
そこで働く多様な人たちが共有する価値となり
その価値に基づく行動が実践された時
企業は、目的を共有し成果を上げる
素晴らしいチームとなれるのだと考えます。
企業でマネジメントを行う方々は
社員が【目的(理念)】を共有し
行動出来るよう導いていく重要な役割を担っています。
多様な能力や特性を有する社員がいたとしても
チームの方向性が定まっていなければ
それぞれが個人の価値観によって
別々の方向へ向かって行動し
チームとしてのまとまりを欠き
組織としての成果を上げることは困難になるでしょう。
多様性を活かし
組織としての目的を追求するチームを構築するために
どのように目的を共有していけば良いのか?
チームビルディングの基盤となる
目的共有の方法をステップに分けご紹介していきましょう。
ステップ1.
組織の目的【経営理念】の意義を伝えつづける
何のためにこの会社があるのか?
存在の意義を伝え
理念に根差した行動をすることで得られるメリット
●顧客や社会に与えるメリット
●会社と会社の仲間に与えるメリット
●社員自身が得るメリット
これらを伝えることから始めましょう。
社員が、協力し工夫をして価値を生み出し
顧客や社会に貢献することで会社が発展し
社員へ物理的報酬や心理的報酬を与えられる
好循環が生まれることを伝えることが重要です。
理念の追求が社員自身のためにもなることを
理解してもらうための対話や教育を繰り返し行う必要があります。
ステップ2.
【理念】に則った具体的行動を示す
社員として
■共有する考え方
■大切にすること
■行動の規範となること
これらを具体的に示すことが重要です。
・挨拶や指示命令の受け方
・報告連絡相談の仕方
・会議の参加姿勢
・顧客へ対応方法
・価値判断の基準
など
会社理念に則した行動指針を
具体的に伝えることで
実践度が高まっていきます。
ステップ3.
率先垂範
マネジメントするリーダーが
理念に則った率先行動を行い
良い見本(モデル)となり
共有すべきあるべき姿を示すことがとても重要です。
理念について説くだけで
リーダー自身が行動しなければ
社員からの信頼は得られませんし
会社に対する疑念を抱かせる恐れもあるので
十分留意しあるべき姿を意識的に示すことが大切です。
ステップ4.
実行機会を与え支援する
理念に則って行動している社員に対しては
その行動を認め
褒めていくことで
理念に則った行動が促進されていきます。
また
理念から外れていく社員が出た場合には
対話をし
なぜそのような行動をとっているのか?
本人の思いを聴き
目的を共有することの意義とメリットについて話合いましょう。
目的の共有は
各人がその価値を認め自ら共有するべきことであり
無理やり共有させても無意味であり本質的ではありません。
説得するのではなく
時間をかけてでも本人が納得することをサポートすることが求められます。
ステップ5.
目的を共有するための伝承システムをつくる
上述のステップ1~4を行える人を
増やしていくことが大切です。
理念の意義と理念に則った行動が生み出す価値を伝え
共感共有する人を増やしていくことで
メンバーのベクトルが合い
組織的なパワーを生み出すことに繋がっていきます。
目的を共有し
メンバーの多様性を活かすチームビルディングが
激しく変化し続ける時代の流れの中で
企業を発展させるために益々必要になってくると考えます。