post-0【期待を示すことの重要性とその効果】

2021.09.17

【期待を示すことの重要性とその効果】

 

“人は期待されると期待にこたえようとして能力を発揮する”

アメリカの教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱した言葉です。

 

この期待による効果は【ピグマリオン効果】と名付けられ

ローゼンタールが提唱した1964年以降

企業の人材育成の場や教育現場で広く活用されています。

 

元々ピグマリオンとは、ギリシャ神話の登場する王の名前です。

現実の女性に失望したピグマリオンは自ら彫った女性像に恋をし

像が人間になることを願い、その願いが叶うという神話です。

この神話から命名されたのが【ピグマリオン効果】です。

 

【ピグマリオン効果】

学校の先生が生徒に「あなたは出来る」と心の底から信じ期待を伝えれば

生徒は自らの潜在的な能力を信じ開花させ

成長することが出来るようになることから別名【教師期待効果】とも呼ばれています。

期待効果を引き出すためのポイントは先生が生徒の可能性を心底信じることだそうです。

うわべだけの言葉だけでは

生徒は先生の気持ちの無さを敏感に察知し不信感を抱くという逆効果となってしまいます。

つまり

先生の生徒に対する揺るぐことのない期待が生徒を成長させる確かな基盤となると言うことです。

 

家庭の中でも同様のことが言えるのではないかと考えられます。

親から常に「お前は出来ない」と言われ続けられたこどもと

親から常に「お前は出来る」「できる可能性をもっている」と期待を示され続けたこどもとでは

どちらが健全な成長を遂げることができるでしょうか?

また、あなたがこどもの立場ならば、どちらの親のいる家庭で生活したいでしょうか?

 

企業の人材育成の場面でも

部下のやる気を引き出し能力向上をサポートしている上司は

部下に期待を示すことを強く意識してヒューマンマネージメントを行っています。

上司から期待されていると感じると

部下はモチベーションが上がり

その結果、努力を惜しまず、自然とより高い能力を身に付けるようになります。

逆に

期待されないことで部下の意欲や成績が低下するマイナス効果を【ゴーレム効果】といいます。

部下が自分の上司は自分に期待していないと実感した場合

モチベーションは低下し

知識やスキルを伸ばそうという意欲も失われることに繋がってしまいます。

同じ人材でも期待のかけ方で大きく成果が変わるわけです。

 

「あなたはやればできる」

と気休めのような期待だけをかけていると

実力の伴わない甘えたナルシストをつくるのではないか?

と危惧する声もあります。

部下に期待の言葉をかけることを躊躇する上司の方が

懸念するポイントがここにあるのだと思います。

当然のことですが

上司は部下にあるべき姿を示し指導し

出来ていない点があれば指摘し改善を促すことが役割です。

必要がある場合、愛情をもって叱るという厳しさも必要でしょう。

しかし

その指導や叱りが活きるのは

「上司は自分に期待してくれているからこそ厳く接してくれているのだ」

と部下が思える時ではないでしょうか。

 

部下の方々も人間ですから

様々な状況や自身の弱さからひねくれてしまったり

意欲を失ったりすることもあると思います。

そんな時でも

上司が

「今は力を発揮出来ていないかもしれないが、あなたには沢山の能力がある」

「その能力を発揮することが出来ると期待している」

「直ぐに発揮することが難しいのなら手を貸すので一緒に頑張ろう」

と声をかけてくれれば多くの人がまた立ち上がって前向きに進んでいけるのではないでしょうか?

 

人を信じ期待し続けることには大変な努力が必要ですし一時的には期待を裏切られるようなことも起こるでしょう

しかし

部下の可能性を信じ期待を伝えることから部下の大きな成長への支援が始まるのではないかと考えます。

 

 

【期待を示すことの重要性とその効果】

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