会社を成長させ社員の報酬を高める評価制度とは
OECD（経済協力開発機構）によると
2020年の世界の平均賃金ランキングは
1位 アメリカ
2位 アイスランド
3位 ルクセンブルク
だそうです
それでは
日本は何位だったのでしょうか？
OECD加盟35か国中日本は22位とのこと
これは、主要7か国の中で下から2番目だそうです
勿論 アメリカのように上位の国々の中には
企業が不調な場合には
直ぐに人員削減を行うため失業率が高く
日本の堅調な雇用環境（日本の失業率の低さは世界189か国中169位）とは
比較にならないため
単純に給与額だけで幸福度をはかることはできませんが
過去30年間殆ど給与が上がっていない状況は望ましいことではないでしょう
昨今の物価上昇の中で
社員の生活のため給与を上げてあげたいと考える経営者も少なくないでしょう
しかし
厳しい経営環境の中
社員の雇用を守るだけでも大変なのに
その上、給与を上げるのは至難の業ではないことも事実です
会社を成長発展させ
社員の報酬を上げるためには
複合的な戦略が必要ですが
今回は、評価制度をテーマに
会社の利益を向上させ社員報酬を高めることを考えてみましょう
弊社でも複数の会社で評価制度の構築支援をしていますが
その際に重要視しているのは
トップダウンのみで制度構築をしないことです
経営陣も社員も皆で
”自分たちの会社をどんな会社にしたいのか？”
“社員が皆で共有したい価値は何か？”
“どのようなことを評価し、どのように報いていくのか？”
を考えて制度を構築していくことが大変重要だと言えます
仮に社長が一人で素晴らしい評価制度をつくられたとしても
評価される社員の納得感がなければ
残念ながら上手くいきません
皆で評価制度を構築することは
時間は若干かかりますが
制度構築の過程で
自分の考え方（情意性）や
成果貢献のための行動（業績貢献度）について
振り返り
評価制度構築のプロセスにおいて
視座が高まりプラス行動が促進されるため
結果として効率的・効果的に制度構築が可能となります
また
自分たちで制度設計に参加することで
評価者としても
被評価者としても
レベルが向上し
評価が高いポイントは自信につなげ
評価が低かったポイントは解決する課題だと捉え改善行動が起こるため
納得感をもって評価を受け入れられるようになります
評価制度は
賃金を決定するための大切な尺度ですが
賃金の優劣を裁くための物差しにしてはいけません
評価の目的は
社員を裁くことではなく
社員の成長を支援し
社員のパフォーマンスが向上することで
顧客満足度が高まり
会社も成長発展する好循環を生み出すことです
どんなに公平・公正な制度であっても
一方的に裁かれると社員が感じれば
会社や評価者への反発や不信
やる気の減退
「あの人より自分のほうがましだ」というような足の引っ張り合いによるチーム力の低下
に繋がり
やる気の有る社員の退職など多くの問題が生まれてしまいます
社員が会社で働くことにより得られる報酬は
金銭や待遇などの【物理的報酬】が直ぐに頭に浮かびますが
この【物理的報酬】の原資となる利益を得るためには
社員の【心理的報酬】を高めていく必要があります
【心理的報酬】には
“社会的報酬”と“自己成長報酬”があります
“社会的報酬”とは
・仕事をすることで会社の仲間（上司・先輩・同僚・部下・後輩）から褒められたり認めて貰えたり感謝されたりして嬉しいこと
・仕事をすることでお客様や社会の役にたっているという意識がもてること
“自己成長報酬”とは
・仕事をすることで自分の能力が高まることの喜び
・仕事における様々な課題を解決することで得られる自己肯定感
などです
この【心理的報酬】（“社会的報酬”と“自己成長報酬”）が高まることで
社員の中に
「自分の会社は、自分の頑張りを認めてくれ、出来なかったことを出来るように支援してくれる会社だ」
「ここで働けて幸せだ」
「自分の仕事に誇りをもって困難にも負けず進んでいける」
などの気持ちが醸成されてきます
このことが
社員の意欲や自発性を向上させ
顧客満足度を高め
利益を獲得し
会社を成長発展させ
社員の【物理的報酬】を高めることにも繋がっていきます
社員の報酬を高めるためには
日常的に
頑張ったことを褒め
成果を上げたら讃え
課題にぶつかったり
伸び悩んでいる時は
何をどう解決していけばよいのかを
本人と一緒に考え
成長を支援することが重要であると言えます
会社を更に成長させ
社員の報酬を高めるために
評価制度を活用する一考として頂ければ幸いです
