新入社員育成のための2軸
4月を迎え新入社員をお迎えになる企業も多いと思います。
会社の最も重要な宝である“人”
初々しい新入社員をどのように育成していくかは
企業の重要課題の一つだと言えます。
新入社員が
会社の共通の目的や目標を理解し
自発的に個々の特性を活かし
顧客や組織と組織の仲間
そして自分自身にも貢献するように育成していくためには
本人の努力も必要ですが
導く側の上司や先輩社員の支援も必要不可欠です。
本コラムでは
新入社員の育成のために必要な2軸をお示しします。
育成の参考として頂ければ嬉しいです。
育成の軸１【共有事項の理解促進と実行支援】
多様な個性を活かすことは
大変重要ですが
組織を構成するメンバーのゴールがバラバラでは
組織としての発展成長は望めないでしょう
新入社員へは
先ず全社員が共有すべきことに関して
明確に伝え
実行出来るように支援することが必要です。
コンプラインアンスに該当する
法令遵守や
他者への思いやりをもった倫理的な行動は勿論ですが
会社の理念
社員の行動指針
社内規則や業務遂行のための具体的なルールなど
社員として共有し実行すべき事項を伝えることをしなければ
一人一人の属人的な価値観による行動となり
チームとしての価値の創出や
全体でのパフォーマンスの向上は望めないでしょう。
共有する事項を
「兎に角実行しなさい」と
統制的に押し付けることは逆効果になる恐れがあるため
共有することのメリットは何か？
（顧客にとって、チームの仲間にとって、自身にとって）
を本人が理解し腑に落ちるように対話を通して
理解を深められるようにしていくと効果的です。
人は誰でも
他者にコントロールされず
自分の意志で行動したいと思っているため
無理に押し付けることは心理的な抵抗を生み
本質的な行動へは繋がっていきません。
新入社員個々の特性に合わせ
それぞれが理解を深められるよう
本人の話を聴いて
特性に応じて伝え方をカスタマイズしていくことが大切です。
また
上司自身や先輩社員が
チームとして共有すべき”あるべき姿”を率先垂範することも
大変重要であることは言うまでもありません。
大切な社員が
法律違反を起こしたり
社内規定を破って
顧客からの信頼を失ったり
会社の信用を著しく失墜させたり
会社の仲間の精神的・肉体的な安全を脅かしたり
自身と家族に多大な損害を与えたり
そのような事態を招かないためにも
繰り返し
理解を促し
行動を促進出来るようサポートしてください。
望ましい行動を起こしたときは
行動を褒め
行動促進意欲を高めるような
言葉がけを行うことも忘れないでおきましょう。
育成の軸２【個性の発揮と自発的行動の奨励】
共有すべき事項を理解し実行できるよう育成すると同時に
個々の特性を遺憾なく発揮できるよう
自発的な行動を支援し奨励していくことが必要です。
本人の夢や希望、将来ビジョンなどを訊くのもいいでしょう
しかし
多くの人が
「あなたの夢は何ですか？」
「将来どんな人になりたいですか？」
と問うても
具体的なイメージをもてないで
困ってしまうことがあるようです。
そんな場合は
なるべくイメージ出来やすい近い将来について
問うとよいかもしれません。
例えば
「一年たったら後輩が入社してくるけど、一年後どんな先輩社員になっていたいかな？」
などと質問すると
「お客さんや会社の仲間に信頼される社員になりたいです。」
などある程度イメージがわいて
言語化できるようになってきます。
その上で
「信頼される社員とは、具体的にどんな社員かな？」
とよりイメージを具体化出来るように質問すると
「〇〇先輩のように△△の分野で高い技術と知識をもっていて、正確かつ迅速に業務ができる責任感が強い社員です。」
などと具体的な行動が起こしやすいレベルまで
言葉に出来るようになっていきます。
その上で
発言を承認し
行動を起こした場合
「行動をスタートさせたね。」などと行動承認していくことで
部下のやる気や自発性はどんどん高まっていきます。
新入社員は、多大な可能性を秘めています。
（既存社員も大いなる可能性を有していることは勿論ですが）
その可能性を開花できるよう
上司として先輩社員として
今回お伝えした2軸を意識して
育成をなさってみることをお薦めいたします。
新入社員が活き活きと働き
「この会社は自分を成長させてくれる。」
「この会社に入ってよかったぁ。」
と思えた時に大きな成果に繋がる行動が促進されていきます。
