Z世代を更に伸ばすコミュニケーション
管理職研修のご要望の中で
若手社員と
コミュニケーションをどうとるか?
更に伸ばすためにどのように導いていくのか?
このようなテーマでの研修依頼を受けることが少なくありません
いつの時代も年配者が
「今の若い人は〇〇〇だ」というように
年代間のギャップは
今に始まったことではなく昔からあるのでしょう
研修をお受けする時には
育成の基本は
個々の特性を観て伸ばすことであり
年齢などによる固定的な概念を持たずに接することが大切ですとお伝えしています
その上で
各年代が生きてきた時代的な背景が
それぞれに及ぼす影響に関しても知っていただくことが
個々の育成にも役立つため
各ジェネレーションが受けた時代からの影響を分析しお示ししています
今の若手世代は
メディアなどでZ世代などと呼ばれていますが
Z世代とは
もともと米国で生まれた「ジェネレーションZ」から
派生した世代呼称で
Z世代という言葉で日本国内でも広がっています
年代的には
「1990年半ばから2010年生まれの世代」を指すことが一般的で
実年齢としては、おおよそ12歳~28歳の世代です
デジタルネイティブ世代で
子どもの時からネット環境があり
使いこなす能力にも長けているのが特徴です
彼らが生まれた時代背景が
それぞれに与えている影響には次のようのものがあると考えられます
特徴と育成のポイントを以下にまとめますので参考にしていただければ幸いです
■Z世代の特徴.やりがい重視 内発的動機を重要視
仕事において、内発的動機を重視する傾向。内発的動機とは、やりがいや成長といった自分の内側から沸き起こる動機を示します。
Z世代が生まれた時代は、社会にモノやサービスが溢れた時代であるため、金銭などの外発的動機を重視する度合いが、ほかの世代に比べてやや低めといわれています。
【育成のポイント】
・仕事の目的(社会への貢献、組織への貢献、他者への貢献)を丁寧に伝え、今行っている仕事が、社会や会社、他者の役に立っていることを解説し、やりがいを実感できるように導くことが重要です。
■Z世代の特徴.価値観を尊重し合える関係性を好む
Z世代は幼い頃からインターネットやSNSに慣れ親しみ、さまざまな人々の多様な価値観を目にしている世代です。多様性を重んじ、お互いに価値観を尊重し合えるような関係性を好む傾向があります。
【育成のポイント】
・先ず話し安い空気感を組織内に醸成することが重要です。良い挨拶や声掛けを行い、若手社員が話をしやすい環境をつくりましょう。その上で趣味や好きなことなどを否定することなく聴き、相手の価値観を認めましょう。価値観がわかることにより、その人にあった導きができる可能性が広がります。
■Z世代の特徴.コストパフォーマンス/タイムパフォーマンスの高さを重視
Z世代はあらゆる物事に対し、コスト・パフォーマンス・タイム・パフォーマンスなどの「パフォーマンスの良さ」を求める傾向があります。
コストパフォーマンス・タイムパフォーマンスの高さを重視する傾向は、仕事においても同様です。非効率な作業は避け、最低限の時間と労力で、高いパフォーマンスを発揮したいと考える傾向があります。
【育成のポイント】
・「コスパ」「タイパ」のみに注力し過ぎることのデメリットもありますが、そもそも仕事の生産性を上げるためにコストや時間に関して追求することは良いことです。「仕事の生産性を高めて定時に帰れるようにしよう。」と声をかけ、少しでも成果がでたら「同じ作業の時間が15分短くなったね。」などと積極的に小さな成果を承認することで更にやる気が高まっていきます。
■Z世代の特徴.自分に合うものを選択
Z世代には「自分に合うもの」を選ぶ傾向があります。幼い頃からインターネットを使いこなし、SNSなどで日常的に情報収集をしてきたZ世代にとっては、「多くの選択肢から自分に最適なものを選ぶ」という感覚が当たり前となっているのです。
仕事においても、社風や業務内容が自分に合わないと感じた場合は、より適した環境を求めて転職する傾向があります。
【育成のポイント】
・せっかく採用した若手社員が直ぐに辞めてしまうことは、会社にとって大きな損失です。「今の仕事を行う中で、どんなことが好きですか?」「将来どんな仕事をしていきたいですか?」などコミュニケーションをとりましょう。本人も質問に答えていくうちに自分の思いを言語化でき考えを整理することが可能となります。その中で社風や業務内容と自分の可能性をすり合わせていく可能性が広がり、継続発展的な成長を促すことに繋がっていきます。
■Z世代の特徴.ワーク・ライフバランス重視
Z世代は自分に適したものを好む傾向があります。ビジネスにおいても、私生活を犠牲にして仕事に注力する働き方は避け、自分に適したワーク・ライフバランスで過ごしたいと考える人が多くいます。
【育成のポイント】
・自分自身の時間や家族や大切な人との時間を大切にしたいと言う思いは、多くの人が持っている感覚ではないでしょうか?その感覚を承認し「無駄な残業をしなくて良いように生産性を上げていこう。そしてプライベートを充実させていきましょう。」と導くことでワーク・ライフバランスがとれ、健全な仕事と生活ができる力がついていきます。
■Z世代の特徴.ゼネラリストよりもスペシャリスト志向
Z世代よりも上の世代には、幅広い業務を担当する「ゼネラリスト」を目指す傾向がありました。対してZ世代には、専門性を高めて「スペシャリスト」を目指したいと考える人が多くいます。
特定の業務に対する経験を積んだり、専門資格を取得したりするなど、スペシャリストになるためのスキルアップを試みる傾向があるのです。
Z世代は「失われた30年」といわれるほど経済が低迷していた時期に生まれた世代であるため、「どの会社でも・何歳になっても通用するスキルを身につけたい」と考える人が多いのかもしれません。
【育成のポイント】
・本人が望むスペシャリスト領域を訊いて、先ずは、その道を究めることを支援しましょう。「この会社にいたら自分の知識やスキルが伸ばせる」と感じた時にエネルギーが高まり会社へのロイヤリティ(愛社精神)も段階的についてきます。
その上でジェネラリストとして育成したい人については、ジェネラリストになることでより多くの仲間に貢献できることを伝えジェネラリストになることが更なる自分自身の成長に繋がることへの理解を促していきましょう。
バブル期などは「係長になったら給与が上がるよ」などと金銭的な対価が昇進へのモチベーションとなることも多かったでしょうが、内発的な動機を重視するZ世代については、「係長の仕事は、より責任も大きいけれど、より多くの人の役に立つ仕事であり、あなた自身の力も更に伸びるのでやってみましょう。」と声をかけることで「やってみよう」という人も出てきます。
■Z世代の特徴.コミュニティ内での承認欲求が強い
Z世代は自分自身が所属するコミュニティを大切にしています。そのため、コミュニティのなかで共感や称賛を得たり、頼られたりすることに喜びを感じる人が多いのです。
【育成のポイント】
・個々人の存在を大切にしていることを意識的継続的に伝えていきましょう。「今日も定時に責任をもって出勤してくれてありがとう。」など言語として細やかに存在自体を承認していくことで、自分の上司は、自分を大切にしてくれているという心理的安全性が高まります。また、仕事を頼んだら「頼りにしてるよ。わからないことがあれば一緒に考えるのでいつでも相談してね。」と伝えることで不安感を払拭し相手の充実感が高まっていきます。
以上 今回は、Z世代の育成をテーマに記しました。
他の世代にも有効な育成ポイントもあるのではないかと考えます。
個々の社員との信頼関係を構築し更に伸ばすことに役立てて頂ければ幸いです。