失敗を恐れず挑戦するマインドを醸成する
ある製造業の幹部の方から伺ったお話です
以前は
ミスを起こさないために厳しく指導していたそうです
当然
ミスを起こせばお客様に迷惑がかかりますし
会社としてもミスの挽回のために
コストも時間も掛かってしまいますので
ミスはない方が良いのは間違いないでしょう
そのため指導にもおのずと力が入り
「ミスを絶対に起こさないように」
と厳しく伝え続けたそうです
しかし
ミスはなかなか減らず
指導の厳しさを増せば増すほど
社員の顔も暗くなり
組織内の雰囲気も悪くなったそうです
そこで
ミスが起こりやすい状況を部下と共に分析し
発生する率が高いものから
ミスを起こさないための簡単なマニュアルを作成したそうです
そして
「作業前には、焦らず落ち着いて必ずマニュアルを確認しましょう」
「そしてわからないことがあれば、遠慮なく私にいつでも相談してください」
と伝え
「それでもミスが起こるのであれば、全ては私の責任なので、皆さんを叱ることはありません。安心して自分の成長を楽しみながら充実した仕事をしてください。」
と付け加えることを続けていくと
ミスが軽減されいき
社員の表情も明るくなり
現場からの改善提案も多く出されるようになったそうです
上述のように
部下の方々がやる気を高めて
生産性を向上させる仕事をしてくれることは
上司の大きな喜びですね
社員が
失敗を恐れずに挑戦するマインド(心)をつくることは
企業の成長発展にとって
最優先課題の一つだと言えます
そもそも人間は
失敗を恐れます
リスクを考えずに行動すると
命の危険を招く恐れもあるので
失敗(リスク)を恐れることは
生命維持のための本能とも言えるでしょう
しかし
一方で
失敗を恐れ行動しないことこそ
大きなリスクとなることを理解する必要があります
行動しないことで
成長しないリスクを増大させ
成長しないことで
自分の人生をより良い方向へ導くことが出来ないリスクを
増す結果となってしまいます
人が失敗を恐れずに挑戦するためには
以下の要素が整うと良いと言われています
■心理的安全性が高い環境の構築
■失敗を許容する環境と取り組み
■挑戦する人をリスペクトしあう環境の醸成
一つ一つを具体的に解説してみましょう
■心理的安全性が高い環境の構築
この組織は自分の存在を認めてくれている
共に課題を解決する仲間(上司・先輩・同僚・後輩・部下)がいるなど安心感が高まると人は挑戦する意欲が湧いてきます
心理的安全性を高めるためには
日常的に感謝を伝え
思いやりの言葉をかけ
共に課題を解決するサポートをし合う
そのようなことを
上司が実行することが重要です
そうすることで
心理的安全性が高い環境構築に繋がっていきます
離職、メンタル不調の防止にもつながりますし
部下も心理的な報酬が高まり
仕事への意欲やエネルギーが上がります
■失敗を許容する環境と取り組み
不要にリスクを増大させたり
繰り返し失敗をする必要は当然ありません
何のために行うのか?
目的を明確に示し
行うべき手順や方法を指導し
分からない場合には
遠慮なく相談できる環境を整えた上で
失敗する人がでたら
先ず
「行動したね」
と行動を起こしたことを承認しましょう
その上で
「今回の失敗をこの先に活かすためにはどうしたらいいかな?」
など未来志向且つ前向きな問いで
次の行動を引き出すとよいでしょう
「私が責任をとるので失敗を恐れる必要はありません」
と上司が宣言することで
部下は、上司に対しての信頼や尊敬の念を高め
責任感を持って仕事をすることに繋がります
責任感のある仕事がミスの防止に繋がることは
言うまでもないでしょう
■挑戦する人をリスペクトしあう環境の醸成
挑戦する人を称え合う環境をつくることも重要です
前向きに行動し失敗した人を責めるのではなく
行動を起こしたことをリスペクトし
言葉として
「勇気をもって挑戦したね」
「チャレンジ精神を示してくれて感謝します」
などと伝えあい
チャレンジを推奨しあう環境構築が重要です
組織の中で使う言葉が
意識を形成し行動に繋がっていくことを忘れてはいけません
失敗をチャンスに変える思考を共有することで
チャレンジすることの楽しさや
チャレンジすることで生まれる充実感
それらが組織を満たしいき
大きな発展へと繋がっていくでしょう