感謝の報返性の理解と活用
感謝の報返性という心理学用語があります
人間関係の構築や組織の健全な運営のために
きわめて重要な心理的原則だと言われています
組織内でこの感謝の報返性を活用し
「この会社で働いていて良かった」
「この会社の人たちは、自分を大切にしてくれている」
「自分も仲間に感謝の気持ちを伝え、会社に貢献していきたい」
という意志をもった社員が増加すれば
チームワークも良く
チームのパフォーマンスも上がり
企業の成長・発展につながっていくでしょう
そのためには
単に感謝を伝えるだけでなく
その行為が効果的に相手に届き
持続的な好循環を生むような
心理的スキルとアプローチが求められます
以下に
必要な心理学のスキルとその具体的な活用方法をまとめてみました
感謝の報返性を活かすための心理学スキル
1.アクティブリスニング・スキル
相手の話を評価せず受け止め、共感しながら聴くスキルです
自分の時間を横に置いて
相手に集中して話を聴くことによって
相手の中で「この人は自分を大切にしてくれている」という
感謝の思いが醸成されます
また
相手の話を聴くことで
相手の意志や行動原理を理解でき
感謝するポイントが具体的に多数見えてきます
2. 他者の美点を見つけ伝えるスキル
人の美点(強み・良い意識・良い行動)に焦点を当てて
そのことを伝え
相手がモチベーションを高め
強みを発揮することを支援するスキルです
相手の「さりげない貢献」に対して感謝の言葉をかけることです
相手の具体的な行動と
そのことによって自分が受けたプラスの影響に関して
具体的に感謝を伝えると良いでしょう
3. 感情知能(EQ)を高める
感情知能(EQ: Emotional Intelligence)とは
自分や他者の感情を理解し
適切に活用・調整する能力のことです
感情知能を高めることは
自己理解や他者理解並びに対人関係の質の向上に直結し
組織の中で極めて有効です
基本姿勢として
ノンジャッジメント(非評価的姿勢)が求められます
相手の存在を丸ごと受け止めるところから
信頼関係が生まれてきます
人は感謝されると
認められていると実感し
仕事と組織に対する主体的な関与や愛着を高め
継続発展的に働く意識と生産性の向上につながっていきます
感謝の報返性を根付かせるために
感謝を義務化するのは良くありません
自発的な行為として感謝が生まれる文化づくりが重要です
先ずは、気負わず
自分から感謝を具体的に言語化し
周りの人に伝えることから始めてみましょう