事業デザイン
「事業デザイン」 2021年9月号
「デザイン」
審美性を根源に持つ計画行為の全般を指すものである(ウィキペディア引用)
意匠・設計・創意工夫ともある。
ゼロ・イチで生み出されたプロダクトが世界を
席巻するほど圧倒的に売れる様な製品やサービスが
生まれる確率は年々低下している。
なざなら世のなかには、ありとあらゆるものが溢れている。
プロダクトアウトは、今までなかったものを生出した産物が多い。
もっと便利にと言う「ニーズ=必要な状況」の発想で生まれたものである。
通信手段の歴史を見ても、
「狼煙」~「太鼓」~「伝書鳩」~「飛脚」~「郵便」~
電気信号が通信手段としての「電話」が生まれた時に
世界の人々は嘸かし驚いたに違いない。
川で洗濯した時代から盥で洗う、手洗いから電気洗濯機が
生まれた時に、多くの女性の時間と労力を軽減し更に手荒れを
防いだことだろう。
「不」を探す・・・が合言葉であった時代に多くの「不」の解消が行われた。
不便・不都合・不満・不合理・不利益・不快・不安・不足・・・
世の中に数多溢れる「不」の解消がイノベーションを起こして来た。
と、考えれば作り手側の発想で生まれた「プロダクト」も顧客から発想した
「プロダクト」も「不」の解消では繋がっているが、顧客基点でのプロダクトを
創り出す発想のマーケットインは顧客の要望や希望を汲み取ったものとなっている。
所謂、「ウォンツ=欲求」の発想である。
その「ウォンツ」の発想で創り出されたものも残念ながら今の世の中には溢れている。
そこでこれからは如何に「デマンズ=需要」という最もお金に変わり易いものを
創造出来るかが問われている。
需要は市場の占有率・市場の成長持続性である。
生み出された「プロダクト」の価値が顧客に共感=認められ「新たな需要」生み出す。
事業構想の観点でみると、先ずは「アイデア」の発着想があり、
その「アイデア」が上手く行くかどうかの検証と実証のフィールドリサーチを行い、
創意工夫の上、導き出したアイデアを元にした「プロダクト=製品・サービス等」が
多くの収益を上げるビジネスを創り出せるか?
つまり需要を生出す事が可能か?
想定出来ない「パラダイムシフト」での時代の変容を見越した
「プロダクト」を生み出す「アイデア」の発着想に於いて、
重要な視点は、業界での因習や慣習での固定観念や常識に囚われず
型にはまらずフレキシブルな自由な発想が必要です。
その為には、自らの視点を変えてみる、正面に視えるモノ・真後ろに
視えるモノ・真上から視えるモノ・真下に視えるモノ・斜めから視えるモノ、
視えないモノと言う発想も必要。また、自身の立ち位置を変えてみる。
還暦超えた年齢でも、アラサーの主婦では、JKでは、モンゴルの人々では、
イタリアの人々では、基点を変える事で、どんなに「陳腐化した=市場価値を失った」
プロダクトも新たなプロダクトとして「価値」を見出す事が可能となる。
また、販売の方法・生産の仕組み・流通方法を変えるだけでも、新たなバリューが生まれる。
最終ゴール(目的)からのマイルストーンを明確に可視化する。
アイデア発想から販売後のアフターに至る顧客の満足・成功の
持続性(カスタマーサクセス)を織り込んだ事業全体を創造して
具現化出来る計画に落しこんでいく事が事業デザインである。
ふと、浮かんだ小さなとんでもなくおかしなアイデアが
ひょっとすると大化けするかも知れない。
イマジネーションがこれほど楽しいと思える事が分かる筈です。