企業に求められるインティグリティ
これまで
耳馴染みがなかった【インティグリティ】という言葉ですが
最近になり
スポーツの世界から始まり
経済界に於いてもこの【インティグリティ】という言葉が
語られる機会が多くなってきたように感じます。
【インティグリティ】とは
【誠実性】【健全性】【高潔性】を意味する言葉だそうです。
日本のスポーツ界においても
文部科学省が策定した「スポーツ基本計画」により
インティグリティの保護・強化が政策目標として掲げられています。
具体的には次の事柄を標榜し推進しています。
■スポーツ選手として子供たちや社会に【誠実性】【健全性】【高潔性】を身をもって示すこと
■インティグリティとは「言うことと行うことが一致していること」【言動一致】
■法律違反、違法薬物、八百長、人種差別、ハラスメント等の脅威に対抗する意志と実行
■他人が見ていようが、見ていまいが、その姿勢が貫かれていること
スポーツ界のみならず
企業や企業で働く社員にも求めらる大切な概念として
【インティグリティ】を重視する動きが加速化してきています。
その背景として
不誠実で健全性を欠く行為は
顧客や社会の要請に応えることが出来ず
市場から排除されてしまう恐れがあり
企業にとっても
そこで働く社員にとっても
大きなリスクとなる可能性があり
解決すべき重要な経営課題であるという考えが
世界的に拡がっていることにあります。
企業経営者が
この精神を掲げ実行に努め
組織運営をすることにより
豊かな未来を築いていくことは勿論ですが
社員の【誠実性】【健全性】【高潔性】を育む教育を
行うことも併せて重要視すべき事柄として注目されてきています。
コンプライアンス重視の傾向が益々高まる中で
一人の社員のコンプライアンス違反が
企業に取り返しがつかないような大きなダメージを与える例は
枚挙にいとまがありません
利益を生むために
社員の技能や知識を高めることは勿論ですが
顧客や組織の仲間、社会に貢献する【インティグリティ】を育むことも
企業の発展には必要不可欠な要素だといえるでしょう。
「人が見ていないから」
「誰にもわからないから」
と考え不正に手を染めるような行為が横行すれば
どんなに素晴らしい企業も破滅の道を進むことになってしまいます
人間とは
他者に思いやりがある倫理的な存在でもありますが
一方で不正や悪事の誘惑に負けそうになる弱い存在であることも事実です。
大切な社員が
その弱さに負けないようにするためには
教育的な導きが必要となります。
米アイビーリーグの一つである
プリンストン大学は
68人ものノーベル賞受賞者を輩出した名門大学ですが
【知力】だけでは不十分であり
【インティグリティ】が重要であり
人間としての基盤であると位置づけています。
同大学内の試験では
試験官をおくことはないそうです。
学生が
「人が見ていないからと言って不正を行うことは
人格を損ねる行為であり
自身にとっても良くないことである」
という考え方を心に刻む教育ができているから
そのような方法でも試験が実施できるのでしょう。
誰も観ていないところでも
お客様や会社の仲間
社会に誠実かつ健全に高潔な精神をもって
仕事にのぞむ社員がいれば
どんな困難な状況下においても
企業は成長発展出来る底力を持つのではないでしょうか。
企業内での【インティグリティ】の大切さを伝え
社員を導いていくことが企業の健全な発展につながっていきます
人こそが企業の宝
その宝を磨く【インティグリティ】教育が企業に
強く求められています。