豊かな未来を創造する リスク・マネジメント
私たちは
様々なリスクに囲まれて企業活動をおこなっています。
提供する商品やサービス品質の劣化によるクレーム、設備不良などによる業務リスクは、勿論
自然災害や疫病の発生などによる災害リスク
法令違反による損害賠償請求、訴訟などの法的リスク
世界情勢の悪化、法規改正、経済の低迷などの外部環境リスク
社員のメンタル不調や労働災害、コンプライアンス違反などの労務リスク
情報漏洩、情報システム障害、ネット上での攻撃などの情報リスク
事業展開の決定や事業継承問題などの戦略リスク
など数えればきりがありません。
このようなリスクに怯えるのではなく
リスクを予想し影響を低減するためのスキルが
リスク・マネジメントです。
今回は、リスクを洗い出し
影響度の大きさや頻度の高さを分析し
未来に向けた企業発展に繋げていくためのリスク・マネジメントの基礎となる
リスク・アセスメント手法についてご紹介しましょう。
アサスメントとは、評価と和訳されますが
会社内のリスクを顕在化させ
リスクを予見し低減させるための評価と考えて頂くと良いでしょう。
リスク・アセスメントは以下の4つの手順で行います。
リスク・アセスメント手順
NO.1危険性・有害性の洗い出し
企業内のあらゆるリスクを社員全員で書き出し顕在化させます。
アサスメントを行う際、経営者や幹部だけで行うのではなく
社員全員で行うことが重要です。
現場で働く社員が大きなリスクを感じていることも多くあるからです。
全社員から出されたリスクを全て記述し全員で共有しましょう。
NO.2リスクの見積り
リスク発生時の影響の大きさやリスクが発生する頻度を分析し
低減させるリスクの優先順位を決定します。
NO.3低減措置検討
見積りに基づくリスクを低減するための優先度を設定した上で
そのリスクを低減するための措置(リスク低減措置)を検討しましょう。
NO.4リスク低減対策の実施
リスク低減措置を実施するとともに
その結果を記録し効果測定を行いましょう。
結果をもとに再検証し必要な場合
もう一度アセスメントNO.1のリストに加え再検討をはかりましょう。
この4つのリスク・アセスメントを習慣化することで
大きなリスクに見舞われた時も
会社が一丸となって乗り切ることが出来る組織的な体力が高まっていきます。
リスク・マネジメントの目的は
企業内にある危機の芽(リスク)と
それに対する対策の実状を把握し
大きな影響を及ぼすリスクをできるだけ取り除き
どんな状況でも健全に企業活動が出来るようにすることです。
また、リスク・アセスメントを行う効果として
以下の点も挙げられます。
1.企業内のリスクが明確になる
2.企業内のリスクに対する認識を経営者や管理者を含め、企業全体で共有できる
3.リスク対策について合理的な方法で優先順位を決めることができる組織文化が生まれる
4.リスク対応のための「守るべき決め事」の理由が明確となり実行性が高まる
5.社員全員が参加することにより「リスク」に対する感受性が高まる
結果的にリスクを未然に低減させ企業の豊かな未来を構築することが可能となります。
経営者や幹部だけがリスクに対応する組織は脆弱です。
社員を巻き込んで共に企業の未来を創造するリスク・マネジメントをお薦めします。