post-6835ペーシング 寄り添い心の速度を合わせるコミュニケーションスキル

2022.06.01

ペーシング 寄り添い心の速度を合わせるコミュニケーションスキル

自分のペースを乱されると

人間は

不安になったり

悲しくなったり

場合によっては

自分のペースを乱す相手へ不快な感情を抱いたりするようです。

 

相手を尊重し

相手にも自分のことを理解し尊重してもらうためには

お互いに心を通わせる努力が必要だと言えます。

 

心理学の用語で

ペーシングpacing)という言葉があります。

ペーシング

コミュニケーションをとる際に

相手に寄り添い心を近づけていくための重用なスキルの一つです。

 

話すスピード

声の大きさやトーン

相手に合せた適切なあいづちやうなずきの頻度とタイミング

表情や動作

など

カウンセリングの手法の一つとして発展してきましたが

現在ではビジネスの分野でも広く用いられている技術となってきています。

 

社会の多様化が進み

様々な価値観をもった組織内外の人々と

接することが日常となった昨今

相手の価値観や背景を尊重しつつ

お互いに思いを安心して伝えあっていくことが

信頼関係の構築には欠かせません。

相手を自分と同じ人間として

敬意をもって接することが大前提ですが

心や気持ちは、見えませんので

こちらが「あなたを大切にしていますよ」という思いを

相手にわかるように示すことが大切です。

その思いを伝える技術の一つがペーシングです。

 

相手に寄り添い相互理解を深めるための

具体的なペーシングの方法を以下にご紹介しましょう。

 

スピード

相手の心地よいと感じるスピードを意識し対話しましょう。

ゆっくり話す方へはゆっくりと

テンポよく話す方にはリズミカルにテンポよく

など

相手の心のスピードとこちらの心のスピードを合わせていきましょう。

 

声のトーンや大きさ

相手の声のトーンや大きさに合わせて

適切な声やトーンを意識して対話をしましょう。

相手が深く考えている時は

せかさずにゆっくりと待つことも重要です。

 

ミラーリング

表情やしぐさなどを鏡のように真似るスキルです。

相手の心に寄り添って

相手が悲しい表情をしたら

こちらも共感を示す表情で接することで

心の距離が近くなっていきます。

しかし

思いのない上辺だけの不自然な行動は逆効果となりますので注意しましょう。

 

バックトラッキング

バックトラッキングとは

日本語で言えば「オウム返し」

相手の言ったことを返すことを指します。

バックトラッキングの目的は

相手の話をちゃんと聞いていることを示すことと

相手に自分が発した言葉を再認識してもらうことにあります。

例えば

相手が「とても悲しかったんです」と言ったら

「とても悲しかったんですね」

相手が「とても不快だったんです」と言ったら

「とても不快だったんですね」

などと返していくことがバックトラッキングです。

 

キャリブレーション

キャリブレーションとは「調整」という意味ですが

心理学においては

「相手の顔色・表情・姿勢などの言葉以外の情報から感情を読み取る」

というスキルを意味します。

相手の表情や態度から無意識に発せられるサインを察知し

心情を読み取るための心理学スキルです。

例えば:

上司が部下に

「この仕事を任せても大丈夫かな?」と訊いた時に

部下が「大丈夫です」と答えていても

うつむいたまま暗い表情をしていたら

「どうした?何か不安なことがあったら一緒に考えるので相談してくれるかな?」

と声をかけることがキャリブレーションです。

 

ペーシングのスキルは

顧客との交渉やクレーム対応

職場での部下育成

プレゼンテーション

チームワークづくりなどの場において

良好な関係を構築するために

大きな効果を発揮します。

 

誠実な気持ちで相手に寄り添い

心のスピードを合わせていくことで

仕事においても

人生においても大きな宝物となる

良好な人間関係の構築が可能となると言えるのではないでしょうか。

 

他者のと更なる良好な関係構築のために

ペーシングのスキルを活用なさることをお薦めします。

ペーシング 寄り添い心の速度を合わせるコミュニケーションスキル

最新記事

月別アーカイブ

ページトップへ
コンサルティング
セミナー
講演