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2023.10.01

他者を理解する知的能力 エンパシー

ビル・ゲイツが米スタンフォード大学でのスピーチで

エンパシーこそ、様々な障害を打ち破り、未来への希望を開拓してくれる力」

だと述べたことでも話題になり

 

オバマ元大統領も多くのスピーチの中で世界平和のために重要な考え方だとしているエンパシー

 

エンパシーとはいったい何なのでしょうか

 

今回は

エンパシーとは何か?

エンパシーがもたらすメリット

エンパシーを高める方法

エンバシーがもたらす未来

について書いてみましょう

 

〇エンパシーとは何か?

エンパシー(empathy)を辞書で調べると「共感」「感情移入」などと記載されています

また

心理学でも諸説あり複数のエンバシーの解釈があるようです

 

私たちが比較的耳にすることが多く

エンパシーと混同されやすいシンパシー(同情、あわれみ、同感、共鳴)と区別するために

 

私はエンパシーを

まったくシンパシーを抱けない相手でも、相手の視点を想像して世界を見る知的な能力

と限定して定義してみたいと思います

*心理学では、コグニティブ(認知的)・エンパシーという領域です。

 

ダイバシティ―(多様性)が益々重要視され

ビジネスシーンでは

自分とは考え方や価値観が異なる人とも

協力して仕事をしていくことが求められていますし

 

顧客の視点にたって商品やサービスを提供しなければ

企業としても生き残っていくことが困難となるでしょう

 

このような社会や時代の要請もあり

エンパシーを高めることが求められています

 

〇エンパシーのメリット

ではエンパシーを高めることで得られるメリットにはどのようなものがあるでしょうか?

1,良好な職場環境の構築とチームパフォーマンスの向上

チームのメンバー同士が

他者の価値観を理解し

相互に多様性を活かし合うことが出来れば

組織は相互尊重をベースにした健全な討議が出来

相乗効果を発揮し

チームとしてのパフォーマンス(生産性)を最大化させることが出来ます


2.真のリーダーシップの発揮

リーダーのエンパシーが高まれば

メンバーの事情や背景を理解し

人間的な思いやりをもって

メンバーの育成に貢献できます

真のリーダーシップの原点の一つがエンパシーだということです

 

3,対立ではなく協調・共感を生む文化を醸成

自分がシンパシー(同感・共鳴)を感じる人間だけと

仕事をしたいと考えるのは自然なことかもしれません

しかし

実際には

全ての人は、違いを持っています

自分と全く同じ価値観や考え方の人は存在しないということです

この違いを認め活かし合うことが

対立を避け

協調・共感を生む組織文化の醸成に繋がっていきます

様々な場面で

自分と違う価値観を持った人を理解するには

相手の気持ちを考える力や

相手を理解できなくても違いを受容できる寛容さが必要です

エンパシーはより良い組織をつくる上で

重要な役割を果たすと言えるでしょう

どんなに高い知識や技能を有している人が集まったとしても

相手の気持ちを理解しようとするエンパシーの姿勢と能力が無ければ

異なる価値観同士でぶつかりあってしまい組織は崩壊してしまいます

 

〇エンパシーを伸ばす方法

では、エンパシーをどの様に高めていったらよいのでしょうか?

エンパシーは、想像力を用いた知的な能力ですので

意識的にトレーニングしていけば

確実の伸ばしていくことが出来ます

 

1.自身の思考バイアス(偏見や固定概念)傾向を理解し適切にコントロールする

確証バイアスと言われる思い込みや

自身の固定化した概念について

日頃から自己分析し

他者と向き合う時は

この思考バイアスが暴走しないように

適切に抑制し素直な気持ちで接するように心がけることが基本です

 

2.積極的傾聴

日ごろから積極的傾聴の姿勢を意識して

人と接することが大事です

積極的傾聴には

相手が置かれている立場や状況に対する理解が必要です

日ごろから積極的傾聴の姿勢を意識することによって

エンパシーに重要な「相手の立場に立つ」という

プロセスが自然にできるようになるでしょう

 

3.多くの人と会話をする

人によって考え方や価値観は異なります

さまざまな人と会話をすることによって

幅広くいろいろな考えや価値観を知ることが可能です

多くの価値観に触れておくことは

相手の立場を想像する際に有効です

多くの人と会話をすることは、エンパシーを高めるのに大変有効です

 

4.映画を観る・本を読む

映画や本の登場人物の心情を推測したりすることは

実社会において他者理解を行うことのトレーニングとなるようです

心理学実験では

文学作品を好んで読む人は

そうでない人よりも

共感力を測るテストで高い成績が出たとの調査結果もあるそうです

 

5.言ったことのない土地へ行く

異なる文化や価値観に触れることで

多様な価値観が存在することを知る切っ掛けにもなります

自分の生活環境とは違う環境があり

価値観があることを理解することで

自分の視点を増やすことに繋がっていきます

 

〇エンパシーがもたらす未来

エンパシーは他人とのつながりや共感を

促進するという重要な役割があります

他者が窮地にある時

エンパシーの能力が高ければ相手の状況や感情

考え方にあった適切な声掛けができますが

エンパシーが欠如していると不適切な言動で

相手を傷つけてしまう危険性も少なくありません

逆に言えば

エンパシーのスキルが高まると共感性を育めるだけでなく

分断を避け他者との良好な関係構築の構築にもなります

 

エンパシーの最大の特徴は身に付けることで

良好な人間関係の構築が可能なことです

エンパシーは他者理解を深めることに繋がるだけでなく

理解しようとする姿勢を示すことで

周囲からの信頼も集めやすいという特徴があります

そして

エンパシーは他者に自分を理解してもらえるように対話をする

伝える技術の補助にも使えます

相手を理解し

自分も相手に理解してもらうと人間関係は

より強固な信頼関係につながり

エンパシーは身に付けると人間関係の改善に役立てられると言えるでしょう

他者を理解する知的能力 エンパシー

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